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昨日の丸の内スクエア・アカデミーは久々に興奮するTalkでした。
舞台芸術研究家、法政大学教授 鈴木晶先生のお話は、舞踏に見る宗教性という観点から跳躍の肉体表現であるバレーでは、とにかくつま先で立ち出来るだけ大地から離れる、そして、それも2本の足ではなく1本足で立つ。大地との接点は僅かな1本のつま先立ち。その上で天に向かって跳躍する。これは出来るだけ天に近づこうとするキリスト教思想の現れである。これに対して日本の舞台芸術である歌舞伎、能、狂言などに於いては、跳躍という肉体表現は見られず、出来るだけ中腰で両足をベッタリと地に付け、腰を据えて上半身、特に腕と手の動き、あるいは顔の動き、眼の動きで芸術表現をするというものです。天ではなく地すなわち大地に根ざそう、大地と一体となろうという自然崇拝の思想の現れであるというのが鈴木先生のご説でした。誠にその通り。
そして東洋でもなく西洋でもないユダヤ教では跳躍もなければ東洋的な手の動きもありません。偶像崇拝禁止の考えから、身体表現は慎ましやかにするというものです。